2020年さいちゃれが目指すもの
”さいちゃれ”が目指すもの
(背景)
私たちが、仕事や子育てから解放されシニアの世代となり、待ち受けた現実は次のようなものでした。
①年齢というただ一つの理由だけで、「退職」という今までの生き方をすべて変えねばならない社会環境の変化 (従来はハッピーリタイアメントとして考えられたが・・)
②退職後の第2の人生を自己実現の場として活躍の場を求めた場合、あるのはキャリアの否定と、単純作業の提供という現実(特定のキャリアの人にとっては当然別の事ではあるが・・)
③多くの退職者にもたらされるのは、日がな「テレビ漬け」といった孤独の現実(イギリスでは既に孤独担当大臣も任命されている)
結果として、リタイアしたシニアにとっては現実の社会からは距離を一歩退き、行く場所もなく、一日中テレビを相手に過ごす孤独な生活をイメージさせます。そんな反面、一日の多くをテレビを見続けるリタイア組にとっても働く機会さえあればとの思いは強く、また小規模零細企業にとってはそんなキャリアを持つ人材が欲しいと言う現実もまた存在しています。
脚本家の倉本聰氏は『60代の若者たちへ』のメッセージにおいて老いてフェードアウトしていく中で、大切なのは長く生きることより、どのように生きるかということ、と言っています。
人生100年時代を生きる都市型アクテイブシニア(「60代の若者」)に対し、社会的要請とシニアのニーズに適応した継続して活躍できる場の提供とプロジェクト活動によるやりがいの場を提供し、能力と個性に適した就労マッチング情報の提供に繋げる活動をいよいよ本格的に活動してまいります。
私たちがシニアと呼ばれる世代となり、今感じるのは、比較的自由なライフスタイルをもつことも可能であり、社会活動参加や趣味で余暇を過ごす世代となった今、このようなネガテイブな評価に対しては、強い疑問を抱かざるをえません。多様な価値観や自由なライフスタイルを好む私たちの価値観を都市型アクテイブシニアと言うならば次のような特徴を持つと思います。
①PC・スマホを充分に利用し、ネット通販を楽しむだけでなく、FacebookやLineなどのSNSツールを使って情報発信を楽しみ、ICT環境に充分になじんでいる。
②どのように生きるかを尊重し、流行度の高い感度を持ち、自分の価値とマッチする社会貢献を考えている。
これらのことから高いスキルを持ち、多様な価値観を持つ「60代の若者」にとってはその能力を生かす場の提供さえあれば、社会から孤立することなく、活躍し続けることが出来ると私たちは思っています。
2020年のさいちゃれ活動は、昨年に引き続き、「学び直し」と「再チャレンジ」をベースに自分探しを主たる目的として学んだ、立教セカンドステージ大学を卒業したメンバーを中心に据え、これら「60代の若者」に対し、社会で活躍し続けることのできる場の提供、自分の思いを達成することのできるやりがいの場の提供、そしてそれを達成するためのスキル再構築の場を提供する活動に取り組んでまいります。
(2019年のさいちゃれ活動)
2019年度は設立より3年目を迎え、今後の活動の為の様々なチャレンジを行った年となりました。東アジア文化都市2019豊島パートナーシップ事業として、さいちゃれの3つの事業提案が、採用され、年間を通しての中心事業となりました。また、リクルート社との間では、シニアの再チャレンジを支援する仕組みとしてWORKFITプログラムの開発で連携しましたが、実用には至らず、提携解消となりましたが、チャレンジャブルな取組を展開することができました。その他、さいちゃれ講座や、さいちゃれサロン講演については、定期開講について、翌年に持ち越す課題となりましたが、中心事業として展開しています。
なお、設立当初からの課題であった、"フィリピンに本を送る活動支援"事業については、タガログ語翻訳者の紹介等の準備を行ったことにより、2020年4月よりさいちゃれで、その活動支援を引き継ぐことが決定しています。その他特筆する出来事として、ニッセイ財団「生き生きシニア活動顕彰」(2019年7月11日顕彰)の表彰、メデイアでの活動紹介として、NHKEテレ「あしたも晴れ!人生レシピ」(2019年3月8日放送)「人生豊かに!学びを楽しむ」週刊教育資料(2019年5月27日号)において、さいちゃれ活動が紹介されました。
「社会貢献で働く場のご紹介(マッチング事業)」としては下記の実績をもたらすことが出来ました。
さいちゃれは働く場として下記の情報を提供し現在も活躍されています。本年以降、益々魅力ある活躍の場の提供を目指します。
・新現役交流会 (経済産業省 関東経済産業局主催の活動)
経験を活かし中小企業支援をするための人材募集です。
・一般社団法人日本医療面接訓練評価センター
医療面接訓練士として活躍いただく人材の募集です。
・(株)LOCAL STAR
2020年2月協業開始、後継者候補を探す企業や個人事業主と地域で後継者候補として輝きたい個人とを結ぶマッチング事業です。
「プロジェクト活動」としては次の活動を展開することが出来ました。
①年間を通じて、東アジア文化都市2019豊島にさいちゃれはパートナーシップ事業として次の3つの事業を展開しました。
・パラリンピック応援講演(5月25日)
*基調講演・パラアスリート講演・中国/韓国スポーツ紹介
・さいちゃれワークショップ(10月26日・11月2日・16日)
*世代間の不均衡等を考える(日・中・韓課題)
・さいちゃれシンポジューム(11月30日)
②フィリピンに本を送る活動
2020年1月タガログ語翻訳とMessengerを活用したフィリピンとのオンラインミーテイングを支援したことにより、正式にさいちゃれでの継続支援が決定しました。但し、2020年初頭より発生したコロナ感染の影響により、現時点での作業はペンドとなっていますが、2020年度中心事業になる予定です。
③プロボノ支援
WEBサイト構築、SNSサイト構築等作成支援 (受託2件、支援中1件)
「さいちゃれ講座」では次の活動を展開いたしました。
①学びの場として
・IT技術の実務講座の開講
「Word」「Excel」「PowerPoint」を中心に主にRSSC在校生を対象の講座を開講しました。
②楽しみの場の提供(さいちゃれサロン)として下記講演を提供しました。
・テーマ:旅の楽しみ方・味わい方(2019年11月開催)
・テーマ:シニアのライフスタイル:92歳にして若々しい語り口でビジネスに取り組む(2019年10月開催)
*なお当初予定の「学びの講演」「健康講演」については、新型コロナ感染拡大より自粛となりました。
(シニアの再チャレンジを支援する会の2020年度活動方針)
2020年度活動はかねてより、支援の打診を行っていた"フィリピンに本を送る活動支援"事業について、正式に合流が決定しました。よって当活動の円滑な運用を図るため、当事業を2020年プロジェクト事業の中心に据え活動を推進してまいります。また、マッチング事業については新規マッチングとして、"LOCALSTAR"との協業が決定しています。
これにより、ミドルスキルレベルのシニアに対する紹介の窓口を、新現役交流会活動とともに増やすことができました。当年は更に新しいプロセスの構築を目指します。なお2020年は新型コロナウイルス感染対策により、さいちゃれ講座や講演会活動については、凍結となり、新型コロナウイルス感染の終息をまち、活動の再開を目指します。(計画上は年度後半からの再開を計画します。)
◎2020年度は前年に引き続き、さいちゃれ活動の3本の柱である「社会活動の為の再教育(さいちゃれ講座)」「社会で活躍する場の紹介(マッチング事業)」「活躍に参加いただくプロジェクト事業の展開」の更なる充実を目指します。
さいちゃれが行う三つの活動
①マッチング事業をとおし、社会で活躍し続けることの出来る場の提供を行います。
・社会と会員の活躍の場を結びつけるため、外部機関と連携したマッチング事業を行います。
②プロジェクト事業をとおし、自分の思いを達成することのできるやりがいの場を提供いたします。
・さいちゃれは会員からの積極的、自発的なプロジェクト提案を求めます。一定の条件を満たすプロジェクトには、さいちゃれは持てるインフラを提供し、積極的に活動支援いたします。
(さいちゃれ支援の詳細はプロジェクトのページで説明いたします)
③さいちゃれ講座をとおし、第二のステージで再活躍するためのスキル再構築の場を提供いたします。
・立教セカンドステージ大学の現役生及び修了生を中心に、都市型シニアが社会参画に一歩踏み出すための準備として、当団体が自ら開設する講座である「IT講座」を提供いたします。
・社会に貢献したい気持ちをソーシャルビジネスやプロボノとして立上げる事業を支援するため、有力な外部機 関と連携し、「ソーシャルビジネス講座」「NPO法人設立講座」「生きがい創造講座」等を開設予定です。
さいちゃれ活動評価
2019年よりさいちゃれ活動評価を組込む予定でしたが、このプロセスの構築は十分ではありませんでした。よって2020年活動については、参加会員の満足、実施プロジェクトの評価、マッチング企業・団体等からさいちゃれ活動が、適切に評価されるプロセスの構築を目指します。
プロジェクト実施評価
プロジェクト運営については、黒字で運営されることを前提にします。よってPlan-Do-Check-Actを励行し、プロジェクト運営評価(活動計画評価・活動実績評価(1サイクル3年での実績評価)・継続事業評価)を行います。この評価は3年を一区切りとし、今後の活動の継続についても評価を行います。
結果として私たちの会員活動がロールモデルになり「60代の若者」が社会に増え続けることを目指します。
シニアの再チャレンジを支援する会 会員一同